見事に新旧を融合させた立役者

古橋織布有限会社(浜松市西区雄踏町山崎)

代表 古橋利祠彰さん


◆昭和3年創業

「自分の持つ織物技術の中からアイデアを組み合わせ、新たに生まれた生地が売れたときの喜び、そしてお客さんが生地を洋服にして”着心地がいい”と言っていただけることが大きな励みになります。好きな織物を頑張ることができますね」。そう話す古橋利祠彰さんは、昭和3年創業の機屋三代目として誕生しました。小学生の頃から自宅で織った反物をリヤカーに積み込み、検査場へ運ぶ手伝いをしていたとのこと。織布仕事を手伝っていた経験もあり、織物業界への愛着はひとしおです。

 そして先代から社長を継いだのは36歳のときでした。その頃から「これからは自販の時代」と各アパレルへ直接訪問。自社製品の生地を見てもらい、ストレートな意見を参考に技術を磨きながらさまざまな展示会に出展。また新たに出会ったお客のニーズに応えるうちに、次第に古橋織布さんでしか織れない技術が培われていったのです。

オリジナルのシャトル(上)は四角いフォルムにアレンジすることで安定性をアップ
オリジナルのシャトル(上)は四角いフォルムにアレンジすることで安定性をアップ
ここでしか織れない技術がファンを魅了する
ここでしか織れない技術がファンを魅了する

◆我が子のように愛しい織機

特長は、現在でも織るのが難しい細番手の糸を扱う高級綿織物を長年強みにしていること。たとえ同じ糸で、同じ密度に合わせて真似しようとしても、なかなか同じ仕上がりにならないと言います。それは、織機ひとつひとつの個性や職人の調節加減が大きく影響しているからなのです。

 実際に工場を見学させていただくと、古橋織布の皆さんは、織機をまるで我が子のように可愛がっている様子が伝わってきます。50年近く前から動き続けているアナログな織機たちですが、動きは実に快調。それはメンテナンス専門の長老技術者を筆頭に、スタッフ自らが部品を手作りして交換したり、微調整したりしながら、織機たちと相談し合うかのようにして生地を織り上げているからです。「この子たちが頑張ってくれているお陰」と職人さんが愛着を持って織機を見つめるやさしい眼差しが印象的。古橋さんの生地には、きっと温かなハートがプラスαで織り込まれているに違いないと思えるほどです。

機械の部品は丁寧に修理して使い続けている
機械の部品は丁寧に修理して使い続けている
糸を1本1本ドロッパーに通し、糸が切れると織機がストップする仕組み
糸を1本1本ドロッパーに通し、糸が切れると織機がストップする仕組み

◆海外ファンを魅了する古橋生地

 また、古きを温めるだけでなく、新しい取り組みにも積極的にチャレンジしているのも特長です。2007年からは海外にも進出し始め、2011年にはフランスの大手ブランドとの取引を開始。2014年に語学が堪能な古橋さんの娘さんが入社したことで、直接海外顧客との対応ができるようになりました。イタリア・ミラノで開催される「ミラノウニカ」に日本の企業が参加できるようになってからは毎シーズン年2回参加。個性派デザイナーと生地を共同開発するなどグローバルに活躍しています。

 

海外でも人気上昇中!
海外でも人気上昇中!

◆若きスタッフへの継承

また2015年には「Oriya」という遠州織物のオリジナルブランドを立ち上げ、バックやエプロンを制作し、ハンドメイド・アプリ ”Creema

(クリーマ)”へも出品しています。

 「若いスタッフも増え、遠州織物の魅力を実感してくれています。好きな気持ちが機動力の原点。そのパワーで小ロット多品種の古橋ブランドをこれからも発信していきたいと思います」。

古橋織布さんの新旧交えた人材、国内外の感性、時代を経て活躍する織機たちの活躍がますます楽しみです。

「とても魅力的な繊維産地の遠州に来てくてアイターンしました!」と工場内を案内してくれたスタッフの濱田美希さん
「とても魅力的な繊維産地の遠州に来てくてアイターンしました!」と工場内を案内してくれたスタッフの濱田美希さん

【DATA】・・・・・・・・・

古橋職布有限会社

浜松市西区雄踏町山崎3574

綿素材を主にした織物製造・販売