職人とユーザーの熱き結び人

白井商事株式会社(浜松市南区渡瀬町)

専務取締役 白井成治さん


◆オリジナル浴衣生地

 見てください!この何種類もの色柄。これらは白井商事さんが毎年企画する浴衣生地のオリジナルデザイン約300点の中から厳選された30点(2018年版)です※1。昔ながらの懐かしいテキスタイルを大切にしながら、今の時代感覚に合わせて斬新に再現させるセンスが見事です。

 昭和60年の創業以来、浴衣生地の素材や柄を独自に企画し、それにぴったりな機屋さん、染屋さん等とタッグを組んで製造し、卸販売を続けてきた白井商事さん。中でも地元遠州の誇れる技術と惚れ込み、伝承のために力を入れているのが「注染(ちゅうせん)浴衣」です。

 

厳選されたオリジナルデザインの浴衣生地
厳選されたオリジナルデザインの浴衣生地

◆伝統の技「注染」

「注染」とは、重ねた生地の上から、細い注ぎ口の専用ヤカンに入れた染料を、職人さんが丁寧に手作業で染み込ませていく伝統の染め技術。浜松でも百年以上受け継がれている遠州の宝といえる技です。

 職人さんの経験でその日の気候に合わせて調合される色味、繊細な手加減で微調整されるぼかしの風合い、遠州の自然風で乾かされ柔らかに仕上がった手触り感は根強い人気。祖母から母、娘、さらに孫まで受け継がれる上質な浴衣は価値ある逸品です。

遠州の宝 注染技術
遠州の宝 注染技術

◆いとまちプロジェクト発足

 「そんな注染をはじめ、遠州生まれの浴衣や着物をもっと好きになってもらうため、自分たちで地域に魅力を発信していこう!」と「いとまちプロジェクト(2015年発足)」を仲間と共に立ち上げたのが、専務の白井成治さんです。「注染がいかに素晴らしくても言葉だけでは伝えにくい。ならば実際に職人さんの技術を目の前で見てもらおう」「浴衣や着物に慣れていない方が、反物でデザインを見ても着た雰囲気をイメージしにくいのは当然。ならば実際に着てもらおう」。そんな発想で遠州の職人さんの技術や作品を消費者の方々に直接お披露目するようになったのです。

 「自分自身のファッションには全く無頓着だった」という白井専務ですが、イベントで女性柄をメンズに転換させた新デザインを着用したところ、たちまち注目の的。「素材やデザインを豊富に揃えているので、皆さんもこれまで着たことのない色柄を試してみてください」とにっこり。

懐かしい柄から斬新な柄まで多種多様な浴衣を発信
懐かしい柄から斬新な柄まで多種多様な浴衣を発信
白井さんも着こなした浴衣
白井さんも着こなした浴衣

◆新たな分野への挑戦ジェクト発足

 この他、まだまだ着物や浴衣が遠い存在と思う人のために、白井専務はオリジナルブランドのシャツを開発。和装デザインの色柄と素材は「華やかなデザインでも落ち着いて着こなせる」「肌触りが心地いい」とファンも増えているようです。

 またオリジナル生地をふすまや障子、ドアなどに利用するなど、服飾以外の新しい分野とのコラボレーションにも積極的。染め織りの職人さんたちの魅力を、白井ブランドという具体的な形にして、さまざまなエンドユーザーへと繋いでいる白井専務。今後もますます、織物業界のプロデューサー的存在としてご活躍くださることでしょう。

 

浴衣生地で作ったオリジナルシャツ
浴衣生地で作ったオリジナルシャツ
インテリアアレンジにも浴衣生地が大活躍
インテリアアレンジにも浴衣生地が大活躍

【DATA】・・・・・・・・・

白井商事株式会社

浜松市南区渡瀬町110

浴衣の企画・製造・卸販売メーカー

http://www.shiraishoji.co.jp/